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「うーん、これは滝口先生のミスかもなぁ…。滝口先生に言っとくわー」
「はい、お願いします」
滝口先生は数学担当の先生。
今回のテスト制作担当の先生だ。
「あとは？何かある？」
問題用紙に向けられていた先生の視線がこちらに向く。
「いや、無いです」
「そう…」
会話終了。
早かったな、今日…。
「ありがとうございました、じゃあこれで…」
そう言って帰ろうとすると。
「今回のテスト、頑張ったねぇ」
「え」
先生が偉い偉い、と満足そうに笑う。
「今回は難しかったでしょ？ホントによく勉強したよ」
「…」
驚いて言葉が出ない。
先生が今までに聞いたこともないくらいべた褒めする…。
「え…っと、あ、ありがとうございます…」
やっと出た言葉はそれだけだった。
「この調子で残りの3学期も頑張ってください」
急に先生口調になってそう言ったかと思うと、「部活頑張れー」と言って自分の席に戻って行ってしまった。
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