人生最高の失恋

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わかっていたことだけど。 改めて現実なんだと思い知らされるような気がして、心がきしんだ。 喉に引っかかるモヤモヤしたものを吐き出すように大きく息を吐く。 泣くな、笑え。自分。 「…そうだねぇ、残念だったよねぇ…」 「そーだよね!2年になっても担当してほしかったのにさぁ?」 「……」 うん。 私も最初は、そう思ってたよ。 でも…ダメだった。 無駄に夢を見ていただけに、ダメージは大きかった。 失恋は今までだって経験してきた。 小学校でも、中学校でも。 いつだって夢を見て、玉砕して、虚無感に襲われて。 もう恋なんてしたくない、そう思うのに、懲りずに恋をして。 まだ十数年しか生きてないけど、何度か繰り返してきた。 今だってその一環。 喉元過ぎれば熱さも忘れられる。 だから堪えて。 堪えて―――…。 と。 「…っく、う…」 嗚咽を隠すことなく泣きじゃくる、恵理ちゃんが教室に入ってきた。
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