人生最高の失恋

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「大丈夫!もし駄目でも、俺がこのだだっ広い胸で慰めてあげるから!」 「いやでも…」 それもどうかと思うんですけど…。 「じゃあいいの?後悔しない?」 急に真剣な顔でそう問われ、言葉に詰まる。 「それは…」 わからない。 この想いを伝えなかったこと。 後悔するかしないか。 そんなこと…。 「その時にならなきゃわかんないよ…」 これが本音。 そんなのわかんない。 後悔するかしないかなんて。 わかりたくないよ。 「…まぁ、後悔しないより、後悔したほうがいいと思うけどね。俺は」 「はぁ?」 金森くんの言ってる意味がわかんなくて、思わず彼を睨みつけてしまう。 「そこまで言うんだったらいいよ。ごめん、無理強いするようなこと言って」 「…」 案外あっさり引いた金森くんに拍子抜けしてしまう。 「でも経験上言うよ。言った方がいい」 「……」 金森くんの過去に何があったかは知らない。 でも、その想いだけは伝わった。
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