問1

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「あ、夏乃電車大丈夫?」 「うん、そろそろ帰るわ」 「りょーかーい」 「亜紀は?」 「んー?もう少しやってから帰るー」 「そっか」 電車通学の私と自転車通学の亜紀。 電車時間がある私はどうしても時間に縛られてしまう。 「じゃあね」 「うん、ばいばーい」 亜紀と別れて駅に向かう道を急ぐ。 田舎だから、電車を1本逃すと次がなかなか来ないのだ。 家に帰ってワークを開く。 基礎的な内容のA問題と、発展的な内容のB問題。 避け気味だったB問題に手をつけようかな。 教科書を横に置いて、ワークの白紙を埋めていく。 と。 「ん?」 ピタ、と手が止まる。 なんだろう、見たこともない方程式だ。 教科書にも解き方は載ってないし、答えを見てもいまいちよくわからない。 「……」 ふと、頭に浮かんだ古賀先生の顔。 あぁ、そうだ。 「明日、先生に訊いてみようかな」
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