エピローグ

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そう、新しい恋を探そうとしたんだ。 でも出来なかった。 折につけて思い出すのは先生のことばかり。 もう会えないって頭ではわかっているのに、それらしき人物がいればついつい先生なのでは…と思ってしまう。 そんなこんなで。 高校生のうち2年間は、まともに恋愛も出来ていない。 駅舎から出ると、むわっとした熱気が私を出迎えた。 9月でもこの暑さ。 ホント、どうにかしてほしい。 雨よけのようになっている屋根の下で、親の迎えを待つことにした。 だだっ広い影が出来ているそこは、多くの人が行ったり来たりしている。 その一角で、高校生と思われる女の子たちが、腕章を付けた人数人と話し込んでいるのが見えた。 よく見ると登下校指導を受けているよう。 私の地元には県立の高校がある。 きっとそこの子たちと教師だろう。 どうやらスカート丈で注意を受けているらしい。 災難だな…。 私の高校も、制服には厳しかった。 スカート丈やら第一ボタンやら。 私も何度か注意を受けた。
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