エピローグ

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「う、そ…。何で…」 危うく、スマホを落としそうになった。 嘘、嘘…。 なんで目の前に。 「……古賀先生」 先生がいるの。 「…久しぶりだね」 先生はむすっとしたまま、私に近づく。 「……ッ」 動揺して、何だかよくわからなくなって。 先生が一歩踏み出す度に、私は一歩引き下がる。 「……ちょっと、離れないでくんない?」 傷付くから。 先生がそう言った瞬間、ひるんでしまって。 そこを逃さなかった先生に私の腕は拘束された。 「…あ、先生…。何でここにいるんですか…?」 やっと私がひねり出したのは、それだけ。 「何でって…転勤」 その質問に先生はあっさり答え、「それより」と私の腕を引っ張った。 「髪、切ったの?」 引かれた腕に付いていった身体が、先生にあと少しで触れるところまで先生に近づく。
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