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ヤバイ、心臓うるさい。
昨日先生に聞くと決心し、授業が終わったあとに聞こうと思っていたけど。
時計の針が動いた気がしない。
手汗が酷い。
断られることはないだろうけど、でも断られたりとかしたらどうしよう―――…。
キーンコーンカーンコーン…
無情にも時計の針は進んでいたようだ。
「じゃあ終わりましょう」
先生の言葉を合図に、クラス長が号令をかける。
先生は帰るのが早い。
行くなら今しかない。
問題集を掴んで、勇気を振り絞って。
「先生ッ…」
「ん?」
先生は立ち止まって顔だけ私の方を向く。
「どうした?」
「こ、この問題が分からなくて…」
緊張で震える手で問題集をめくり、例の問題を指で指す。
「あぁこれ?」
先生は私の手から問題集を抜き取り、問題を眺める。
「これね…。うん、放課後聞きに来て?」
「え?あ、はい」
「じゃあ待ってるね」
先生は私に問題集を返すと、教室から出ていった。
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