エピローグ

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「…それで俺への想い、断ち切れた?」 「え…」 先生の顔を覗き込むと、先生は私が告白した時のように顔を歪めていた。 まるで痛みをこらえているような、そんな顔で。 「……断ち切れ、た?」 絞り出すような声で言うから。 「…断ち切れるわけないじゃないですか……!」 つい自分の感情を抑えきれなくなってしまった。 「ずっと先生のこと忘れられなかったんですよ?そのせいでこの3年間、ろくに恋愛もしてないんですから…!」 先生は突然饒舌になった私を見て驚いているようだ。 でも、止まらない。 「いるわけないのに先生を探して。いないから落胆して。3年間ずっとそれを繰り返してきた…!もう諦めなきゃ、って言い聞かせても諦められなかったのに…。 なんか急に目の前に現れるから…むしろどうやって断ち切ればいいって話ですよ…!」 一気にまくし立てて、肩で息をする。 ポタリ、地面に汗が流れ落ちた。
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