問1

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「ッ…」 ど、どうしよう。 アポ…取れてしまった…。 えええ、どどどどどどどどどうしようううううううう!? ヤバい、小躍りしそうなくらい喜んでる、自分。 待ってる? 待ってるって言ってたよね!? どうしよう、なぜか顔がにやける。 放課後が待ちきれない。 そのあとの授業は古典とか、世界史とか、苦手な科目ばっかりだったけど、全然苦にならなかった。 「で?どれが分からないんだっけ?」 衝立で区切られた、職員室の一角。 いくつかある、向かい合わせにされた机と椅子の一つを先生は指定する。 「えっと、これなんですけど…」 座りながら問いかけられた言葉に答えながら、私も椅子に腰掛ける。 「因数分解まではいけるんですけど、その後なんで場合分けするのか分からなくて…」 「あぁー…はいはいこれね。これは…」 そう言って先生はお絵描き帳を開いた。
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