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…ちょっと待って。
今先生、私の名前言った?
しかも2回も?
「先生、私の名前知ってるんですか?」
失礼かもしれないけど、私は担任と顧問以外で自分の名前を知っている学校の先生がいると思っていなかった。
どの教科担当の先生も誰かをあてたりするときは、名簿を見てあててるし。
でも先生は、それがどうしたという表情で私を見る。
「当たり前だよ!え?向井さんだよね?」
「そうですけど…」
……不意打ちだ。
あまりにも不意打ちすぎる。
頬に熱が集中する。
まだ出会って2ヶ月も経ってないのに。
話したことだってまだ少ないのに。
私の名前覚えててくれたんだ…。
けど、人生そんなに甘くない。
「もしかして湯島さんも同じ部活なの?」
「へ!?いや、違いますけど…」
“湯島”は亜紀のことだ。
…何だ、亜紀のことも知ってるんだ。
私だけじゃないんだ――――――…。
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