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…当たり前だよね。
先生たちは皆に平等に接しようとしてると思う。
だから私も。
先生の中では、平等にすべき生徒の一人なんだ---…。
それがなんだか無性に悲しかった。
シャーペンを持ち直し、再び問題に取りかかる。
早く解いて帰りたい。気がする。
…にしてもこの問題。
(1)に比べて難しくなってないか!?
「分かんなくなった?」
私の手が動いていないことに気づいた先生がこちらを振り向く。
「えと…はい」
素直に頷くと、先生は私の方に身を乗り出してきた。
近い!!
「どれ?」と聞いてくる先生に、「これです」と言いながらも、正直、心臓がおかしくなりそうだ。
落ち着け、と心臓に言い聞かせながらなんとか問題を解き終えた。
「他にはある?」
気疲れでグッタリしている私に、先生が尋ねる。
そうか、もう二人きりは終わりか。
その事に気づくと、さっきまでは早く帰りたいとか思っていたのに。
帰りたくない。
まだ先生といたい。
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