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会話が耳に入ってくる。
「あ、古賀先生だ」
何っ。
「ホントだ～！今日も黒ッ」
ホントだ。古賀先生は黒が好きみたいだ。
今日は黒の半袖シャツに白いラインの入ったジャージ。
「カッコいい～」
うん。しかも普段見ない格好だからなおさら…。
「恵理ちゃん、古賀先生好きなんだっけ？」
え…。
急に周りの声が遠くなる。
頭の後ろを殴られたような感覚が私を襲う。
そりゃ、そうか。
だから嫌なんだ、こういう気持ちは。
波田野恵理ちゃん。
高校に入って初めて会った。
身長が高くて脚が長い。
顔も小さくて、色白で。
真っ直ぐで黒い、さらさらのロングヘアーをたなびかせている。
モデルみたいな子。
そんな子に、私が敵うと思うか？
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