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思わない、思えない。
心臓の音がやけにゆっくりと、大きく聞こえる。
頭がグラグラする。
歩いてるんだろうか、止まっているんだろうか。
衝撃は、予想外に大きかったらしい。
観客席用として用意されているテントの中から、先生が腕を組みながらこちらを見ている。
でもその目に、私は映ってないんだろう…。
しゃべったこと、ほとんどないし。
担任でも、副担任でもない。
ただの教科担当と生徒。
私たちの間には、まんがのような展開はないのだ。
休憩時間。
先生の元に、わらわらと人が集まっていた。
スマホなどを向けている人もいる。
と。
「夏乃~!」
「亜紀…どうしたの?」
息を切らして走ってくる亜紀。その手にはスマホが握られている。
「見てコレ!可愛くない!?」
そう言って亜紀は私にスマホの画面を向ける。
そこには。
「ッ…」
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