問1

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「…ください」 悩んだのも束の間。 ジャージのポケットにしまわれていたスマホを取りだし、赤外線で送ってもらう。 亜紀が送ってくれた画像は真正面から先生が撮れてる。 永久保存だッ。 入場行進の練習も終わり、校舎内での作業に移る。 と。 「よかったね、恵理ちゃん!古賀先生の写真撮れて」 「うん、ホントだよ~!待ち受けにしちゃおうかなぁっ」 「しちゃえしちゃえ!」 なんだ…、恵理ちゃんも撮ったのか…。 胸がチクリと痛む。 あんなに人が集まっていたんだ、その中に恵理ちゃんがいるのはなんらおかしくない。 むしろ、勇気が出なくて集まりに入れなかった私のほうが画像を手に入れていておかしいようなものだ。 自然と無口になる。 隣でマシンガントークしている亜紀に感謝。 教室に戻って作業をしているうちに胸の痛みは薄れていったけど、不安要素は無くならなかった。
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