問1

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先生が顔を上げて苦笑する。 「いやいや、100点目指してくださいよー!」 「無理です」 「早ッ!」 笑いながら椅子から腰を上げ、机を直し始める。私もそれにならう。 「いや、でもホントに頑張って」 そう言って私の頭をポンポンと二回撫でると、先生は職員室から出ていった。 「……」 頑張ろうと思ったことは言うまでもない。 テスト週間というのは長いようで短く。 あっという間にテスト週間は過ぎて、あっという間にテストが終わった。 最終日は午前テスト、午後授業というハードスケジュールな感じはさすが進学校といった様子だ。 「なんなのあの化学の問題は!計算量は数学より多いでしょ!!」 昼休み、亜紀が早速発狂した。 「全然時間足りなかったし!あ、だからと言って数学ができた訳じゃないよ?むしろそれだったら化学のほうが出来てる自信ある!まぁね、コレと言って出来てる教科無いしね!赤点無きゃ万歳だ!」 「うん、そうだね」 亜紀得意のマシンガントークが始まり、私はそれを聞きつつもお弁当に箸をつける。
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