問1

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私もこれはイケた!という教科は特別ない。 強いて言えば古文くらいだろうか。 正直数学も手応えはあった。 でもそんなこと言ったら自慢かと思われても困るし、そういう風に言った教科に限って点数低いということは経験ずみなので言わない。 先生にも応援してもらったし…と考えるのはアレかな? 正直あの時のことを思い出すと顔が自然とにやける。 「そういえば英語の大問2の問3って何にした?」 亜紀が話題を変える。 「んーと、イにした」 「あたしも!よかったーっ!」 他愛もない会話で昼休みを終えて授業が始まる。 次の授業は数学だ。 先生が脇に大量の紙束を抱えて教室に入ってくる。 教室がざわつく。まさかあれは…。 「はい、テスト返しますよー。名簿順に取りに来てー」 やはり、だった。 数学のテストは1日目だったから危惧していたけど、本当に返すなんて。 「向井さーん」
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