問1

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「何言ってるんですか?」 「え?気を付けなさいよってこと」 「はあ…」 意味がわからない。 「そういえば」 「は、はい!?」 気付けば先生が近くにいてびっくりした。 身体が触れてしまいそうなくらい、近くにいる。 先生の体温が伝わってくる。 ふわりと柔軟剤らしき香りがして、心臓が跳ねる。 どうしよう、頭がくらくらしておかしくなりそうだ。 私の反応が面白かったのか、先生が喉を鳴らす。 「テスト、頑張ったね」 「…ッ、あ、はい!」 嬉しい、素直に。 顔がにやける。 「今回平均点低かったからさ、心配してたんだけど、よかったよ」 「平均点、低かったんですか?」 「ん~、二次関数は苦手な人多いからね」 「そうなんですか?私嫌いじゃないですよ。先生のおかげかもしれません」 すると先生が私を見て一瞬驚くと、すぐ笑顔になる。
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