問1

36/37
前へ
/172ページ
次へ
「可愛かったですね~、猫みみ。『ニャー』って言ってみてください」 「なんでだよ!」 照れてる照れてる。 「覚えとけよ…」 ムスリ、と先生が言う。 「夏乃ー、お待たせ…って、古賀ちゃん!?」 亜紀が現れて、先生はほっとしたようだ。私は面白くない。 「何で!?何で古賀ちゃんがいるの!?」 「帰ろうかと思ったら、向井さんが寂しそうにしてたからさぁ」 「してません!!」 なんだか一気に現実に戻ってしまったようだ。 「じゃあ先生、さようなら」 「古賀ちゃんバイバーイ!!」 「はいはい、さようなら」 ここでお別れだ。 なんとなく名残惜しい。 先生もそう思ってくれてればいいのに。 「いいなー夏乃!あたしも早く来て古賀ちゃんとお話したかった!」 「まぁ明日も会えるんだし、明日話かければ?」 「うー…できるかなー…」 亜紀と他愛ない会話を交わしながら駅へ向かう。 その間中、にやけた顔を隠すことが出来なかった。
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

278人が本棚に入れています
本棚に追加