問2

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模試はその時の自分の学力を試すものじゃないんだろうか。 そう思っている人はいると思う。 いや、いてほしい。 じゃないと目の前の状況が飲み込めない。 「なんだ、コレは…」 思わず呟いてしまう。 目の前に積み上げられた大量の問題集。 そこには『模試に向けて~過去問~』だの、『数学攻略への道』だの、目もあてられないような名前の問題集の数々。 しかも、だ。 「じゃあこれ、今週末の課題になるから。月曜日までにやっておくように」 担任の言葉で地獄に落とされる。 先生、今日何曜日かわかってますか。 金曜日です! こんな5センチはあるだろう、厚さの冊子を3日間でやれと!そうおっしゃるのですね! 「過去問は俺、数学の問題集は古賀先生に出すんだぞー」 「…ッ」 担任の話に先生の名前が出る。 それだけで、私の心臓は跳ね上がる。 そして思い出してしまうのだ、あの雨の日のことを。
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