問2

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「うん、そう、まずわからないものをXとおくと、条件から…」 結局私は先生の所に来ていた。 私と二人きりになった先生は、この前のことなんて一切触れず、いつもと全く変わらない。 そのことが嬉しくもあり、なんだか面白くなくもある。 そんなことを考えながら説明を続ける先生を見る。 と。 今回先生はお絵かき帳ではなく、要らない書類の裏側に書いている。 「先生」 「わかんないとこあった?」 「いや、どうでもいいんですけど、今日はお絵かき帳じゃないんですね」 「あぁ」 そういえばそうだ、みたいな顔で先生は自分の手元を見る。 「お絵かき帳使い切っちゃってさぁ」 ははは、と頭をかきながら顔を上げる。 買いに行ったりするんだろうか…。 「てかやっぱりお絵かき帳って気になる?」 先生が首をかしげる。
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