問2

8/38
前へ
/172ページ
次へ
皆がその絵に注目する。 「…」 そこにいたのは。 目がギョロっと飛び出していて、耳と角の中間みたいなものが生えている。 おそらくホルスタインを描いたと思われるような斑点。 まぁおよそ牛と言えるものではなかった。 「うわ、先生!俺よりひどいっすよ!!」 金森君は大笑いだ。それにつられてか、クラス全員が笑い始める。 「えー、すげぇ上手く描けたと思うんだけど」 先生だけは皆が笑っていることに不満そうである。 私も笑いながら、先生は絵が上手くない、と頭にインプットした。 「…というわけで、先生が絵を教えたら大変なことになります」 「えー…」 あの時同様、先生は不満そうであった。
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

278人が本棚に入れています
本棚に追加