問2

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私は物凄い勢いで先生を振り返る。 「な、ななななな何言って…」 「さーて、続き続きっと!」 先生はニヤリ、と笑って体勢を元に戻す。 コイツ…っ!なんか仕返ししてやりたい。 その時、ふと目に入った問題集の“模試”の文字。 そうだ、ちょっと困らせてやろう。 「先生」 「何?」 先生が顔を上げる。 「先生、もし模試でいい点取ったら、なんかご褒美下さい」 「は?」 突然の言葉に、先生は目を見開いてポカンとしている。動揺してる。 勝った! でも。 「うーん、ちょっと無理だなぁ」 先生は顔を歪めてそう言った。 当たり前だ、教師は平等でなくてはならないんだから。この頼みは断らざるを得ないだろう。 けど、本当は「いいよ」と言ってくれるかもしれない、と期待していたんだ。 やっぱり私、欲張りになってる。 「ははは、ですよねー…」 やば、恥ずかしい。涙出てきそう。
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