問2

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「大丈夫、向井さんなら55くらい取れるよ」 そう言って先生は私の頭をポンポンと撫でる。 「…」 それだけでちょっと胸が苦しい私は、大概先生のことを好きなんだと思う。 よく考えたらここは学校だ。 急に恥ずかしくなって先生の腕を払う。 「先生!ががが、学校ですから、ここ」 顔が熱い。本当に何やってんだ。 でも先生は特に悪びれた様子も無く。 「んー、ここ死角になってるから大丈夫だと思うけど」 とか言っちゃってる。 確かにここはほとんど人の通らない、廊下の角っこだけど。 「先生」 「ん?」 私は目だけで先生を見た。 先生も目だけで私を見下ろしている。 「ホントに偏差値55超えたら、ご褒美くれるんですか?」 先程からモヤモヤと私の中で燻っていた疑問を口に出す。
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