問2

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「はい、どーぞ!!」 「っ!?」 バッチーン!という大きな音を立てて、先生は私の手を叩いた。 「いった!何するんですか!!」 叩かれた手がびっくりするくらいジンジンする。 私は驚きと怒りで先生に詰め寄った。 と。 「ちょっとー、よく見てくださいよー」 「え?」 先生は不満そうにムッとした表情で私を見下ろした。 「ほら、手、見て」 「え…」 視線で促され、てのひらを見れば。 「これ…」 そこには黄色いパッケージに包まれた、レモン味の喉あめが乗っかっていた。 「ご褒美です」 先生は得意げな笑みを浮かべて私を見下ろす。 「……いいんですか?」 急に不安になって、先生の表情を窺う。 そんな私を見てか、先生はフッと笑って壁に寄り掛かった。 「いいと思ったからあげたんだよ。いいからもらっておきな」 そう言ってすぐ壁から背中を離し、職員室に戻ろうとする。
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