問2

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「と、取り持つ…って?」 恵理ちゃんの言葉を繰り返す。混乱しているのか、頭が回転しない。 「うんと…、協力してほしいの! 夏乃ちゃんて、よく古賀先生のところに質問に行ってるんだよね?だからその…、ついて来て欲しいの!」 頬を赤らめて口ごもりながら話す恵理ちゃんの顔は、完全に恋する乙女で。 「うん。わかった、いいよ」 そう言うしかなかった。 そういう訳で、私は恵理ちゃんの協力をすることになった。 …心の奥の方が疼くのを無視して。 「今から行ってもいいか」という恵理ちゃんのため、亜紀に断りのメールを入れて、職員室へ向かう。 「夏休みの宿題でわかんないところがあって…、それを教えてもらいたいの」 「そう…なんだ」 数学の問題集やルーズリーフを抱えて職員室へ向かう。 「失礼します、古賀先生いらっしゃいますか」 「はい」 ライトブルーの半袖シャツの背中が動く。 「どうしたの?」
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