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そういえばそうだったかもしれない、なんか生徒手帳に書いてあったかもしれない。
「……」
「……」
恵理ちゃんがいなくなり、重たい沈黙が私たちの間に落ちてくる。
「…ねぇ」
沈黙を破ったのは先生だった。
「…なんですか」
頬杖をつきながらこちらを見てくる先生に、視線だけ向ける。
「向井さんはわかんないとこないの?」
「…ありません」
「…は?」
なんだか気に入らないことが積み重なって面白くなくてイライラしてむしゃくしゃして。
「先生に訊くところなんて1個もありませんっ」
先生に八つ当たり。
本当に可愛くない。先生がわざわざ声を掛けてくれたのに。
あぁそうだ。
なに勘違いしてたんだろう。
私と先生は
名前を呼ばれても、
ご褒美を貰っても、
何をどう足掻いても、
私と先生の関係は、教師と生徒以外に発展しないはずなのに―――…。
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