問2

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「…向井さんって髪綺麗だよね」 突然、私の髪を手に取っては落とす、取っては落とすを繰り返し出した先生。 「そ、そんなことありませんっ」 あぁまた。 素直じゃない言葉が口から零れる。ホントに可愛くないなぁ、自分。 「そんなことあるよ」 そう言って先生は向かい合わせに座っていた位置から、私の隣へ移動する。 「それに」 「…っ!!」 そうして私の髪を再び手に取ると、今度は自分の口元に持っていく。 「いつもいい匂いがする」 上目づかいで意地悪そうに微笑む先生。 顔に熱が集中するのがおかしいくらいにわかる。 「香水じゃないよね…。シャンプーか柔軟剤かな?」 「!!」 先生はどんどん私に近づいてくる。 やばいやばいやばい。 先生、近い。 先生が近づくと、私のシャンプーの香りと先生の柔軟剤の香りが混ざって、その度に頭がくらくらする。
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