問2

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「せんっ、せ…っ!」 ここ、一応職員室なのに。 先生はどこか妙に大胆なところがある。 息も絶え絶えに顔を真っ赤にさせている私を見て、先生は満足したように離れていく。 最早むしゃくしゃした気持ちはどこかへいっていた。 「…波田野さんと仲良くなったんだね?」 「へ?」 先生は真顔になって首を少し傾けながら私の顔を覗き込む。 「だから、波田野さんと仲良くなったの」 「え、えと…なんというか…」 言えない。 協力のことは言えない。 「くっ、クラスの子と仲良くするのは当然じゃないですか!」 「…」 不満そうな先生に引き攣る笑顔を向ける。 「……」 はぁ、と先生はため息をつくと、私の頭に手を置く。 「無理すんなよ」 「…はい」 なぜ先生に「無理すんな」と言われたかはわからなかったけど、心配してくれたんだと前向きに考えておくことにした。 翌日も、そのまた翌日も私と恵理ちゃんは先生のところへ行った。 恵理ちゃんの質問はやっぱり的確で、私は隣で聞いていて惨めになることばかりだったけど。 恵理ちゃんが帰ったあとに先生が「質問していいよ」と言ってくれるので、少しだけだけど数学と先生に触れる時間が増えた。 そして、夏休みが終わる―――…。
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