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「黒の絵の具、まだある?」
「黒幕借りれるんだっけ?」
「黒の糸持ってる人―」
やたらと黒の話が上がる文化祭の準備。
私は亜紀と一緒に飾りつけの係として準備にも参加。
「黒幕はカーテン外してつけるとしてー、テーブルの配置とかってどうする?」
「休んだりするところとアイス売るところの2ヶ所作んなきゃないよ」
「飾りつけは?予算いくらだっけ?」
目の前で繰り広げられる会話を、私はただ聞いているだけ。
こういう時、自分の消極的な性格が嫌になる。
そんな時。
「あ、あたし部活行かなきゃ」
急に亜紀が手を挙げ、スクールバックに道具を詰め始める。
「え、亜紀」
「ごめん、文化祭に出す作品、書き終わってなくて」
不安でいっぱいの私の視線に気づいてか否か、片目をつむって顔の前で手を合わせる亜紀。
「じゃ、また明日」
そう言うと、亜紀はそそくさと教室から出て行ってしまった。
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