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「えーと、古賀です。中学高校とバスケやってました。今はテニス部の顧問です。宜しくー。
じゃあ授業始めましょう」
低い、よく通る声で先生が話し出す。
確かにカッコいいのはわかった。
でも可愛いのか?
こーいうのはよくわからんなぁ。
「じゃあ8ページ開いてー」
教室にノートや教科書を開く音が響く。
「あぁ俺、字汚いんだよねー。読めなかったら言ってねー。
あと、眠かったら言ってねー」
「はぁい」と、すでにクラスの中心的存在になっている男の子が声をあげる。
つられてクラス全体が笑い出す。
「君が一番寝そうだね」
古賀先生がチョークを動かす手を止めて振り向く。
「あは、そうかもしんないっす」
さっき返事をした男の子が答える。
「うわ、すでに要注意人物」
そう言って古賀先生が笑う。
あぁ、わかった。
古賀先生は笑った顔が可愛いのか。
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