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「夏乃は電車通だっけ?じゃあチャリなんてないよね…」
「……う、ん。そう、だね…?」
目の前で私の名前を呼ぶ人物―――それはチャラ男として名高い、金森くんだった。
あまりにも自然に私を下の名前で呼ぶので驚いてしまった。
…これがチャラ男の力かっ……!
「そっか、じゃあ買い出しは俺と本田と―――…」
感心しているうちに、金森くんはさくさくと話を進めていた。
次々に担当が決まって、私は亜紀と黒板の装飾担当になった。
「夏乃って文芸部なんでしょ?じゃあそういうの、得意そうじゃね?」
誰に聞いているのかわからない、金森くんの一言で決まってしまった。
しかしこの金森くん、見かけによらず、なかなか頭のよさそうな発言をする。
というか、人を見て適材適所に配置する能力に長けているようだ。
例えば関西出身で話の上手い井上くんに、生徒会に黒幕を取りに行かせるとか。
字の綺麗な萌奈ちゃんに看板を作ってもらうとか。
見ていてなるほど、と思えるような人選をする。
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