問2

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その日の話し合いはひたすら金森くんに感心するだけで終わってしまった。 というより、電車の時間が来てしまったので、先に帰らせてもらっただけなんだけど。 それにしても…。 何で下の名前呼びなんだろう。 「(ていうか…)」 私の名前知ってたんだ…? 私なんて金森くんの眼中に入ってるとは思わなかった。 別に入ってようが入ってまいが何の影響もないけどね。 翌日。 「夏乃!」 後ろから名前を呼ばれ、驚いて後ろを振り返る。 この声は亜紀じゃない。 「金森くん…」 ワックスで固めた髪を揺らしながら、金森くんがこちらへ走ってくる。 「ごめんごめん、引き留めちゃって」 「ううん、大丈夫だけど…何かあった?」 人より身長の低い私。 私なんかよりずっと背の高い金森くんを、自然と見上げる形になる。 「えっと、文化祭の当日って、暇?」 1週間後の文化祭の予定を聞かれても…。 と思ったが、生憎、暇。 「暇だけど…どうかした?」 「ホント!?」
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