問2

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金森くんの顔がグッと私に近づく。 こうやって見ると、金森くんは結構綺麗な顔をしているとわかる。 「文芸部で何かあったりしないの?」 「うん、何もないよ?」 それでも念を押すように質問を繰り返す金森くんに、少し笑ってしまった。 文芸部の展示は、いわゆるセルフサービスといった感じだ。 ただ借りた教室に部誌を置くだけ。 貰いたい人、勝手に貰ってくださいという、なんとも投げやりな展示。 おかげで、暇。 「そうなの?ならいんだけど」 折り曲げていた腰を元に戻して、金森くんはスラックスのポケットに手を突っ込む。 「あのさ?」 「うん」 「文化祭の当日、店番やらない?」 「…店番?」 金森くんの口から飛び出した言葉に、一瞬私の動きが止まる。 金森くんは私の様子を窺うように、私の顔を覗き込む。 「…いいよ?」 「え?」 きょとんとした顔で私の顔を凝視する金森くん。
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