問2

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「あは、ありがとう」 褒められ慣れていない私は、金森くんの言葉をぼんやりと流す。 「お世辞とかじゃねぇよ?マジだかんね」 ニカッと笑顔を浮かべる金森くん。 やっぱり結構チャラ男かもしれない。 「じゃ、もう少しだけ頑張って」 「うん、そっちも」 再び客寄せに行こうとする金森くんたちを見送って、私はまたクーラーボックスの前に立つ。 そっか、もうそんな時間か…。 腕時計を見れば、あと数十分で午前中は終わりだ。 と。 「お、アイス。いいねぇ」 アイスボックスを覗き込む人影。 「あ、どうぞ、見ていってください」 顔を見せたのはこのクラス担当の英語教師。 「じゃあ1つもらえる?」 「どうも、ありがとうございますー」 小銭を渡されながら、ふと思った。 「あの、先生方も文化祭回るんですか?」 「え?あぁ…」 お釣りを手渡しつつ、その先生に聞く。
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