問3

5/49
前へ
/172ページ
次へ
またしても配られた、一体何センチあるのかと思うような過去問。 積み上げられた過去問の山に絶望しか感じられない。 「数学の対策問題集も配ったから、期限までにしっかりやっておいてねー」 担任に頼まれたとかで、問題集を配布した古賀先生が黒板に締切とかを書いていく。 「あぁー、また配られたよー…」 問題集を手に、金森くんがボソッと呟く。 「え?」 どうしたの、とつい面白くなって笑ってしまった。 「夏にも配られたじゃん?これ。でも終わんなくてさぁ」 「あぁ、いっぱいあったもんね」 まぁ私は1週間早く終わらせることになったけど。 「でも、夏休みには終わったでしょう?」 金森くんの顔を覗き込む。 例の問題集のやらなかった部分、終わらなかった部分は夏休みの課題になっていたのだ。 「いんや、それでも終わんなかったの」 呆れたように首を左右に振る金森くん。 と。
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

278人が本棚に入れています
本棚に追加