問3

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「そうだよ!金森くんまだそれ出してないでしょ!!」 急に先生が会話に入ってきた。 「早く出さないと!あれ、2期の成績に入るんだよ!?」 私が金森くんを急かす様に言えば。 「そうそう!」 金森くんの代わりに、先生が相槌を打つ。 「そう言う向井さんは終わってるよね?」 「え?」 いきなり話を振られてバッと先生を見れば、先生は得意の意地の悪そうな笑顔。 「と、当然ですね!」 内心、かなり焦った。 でもそれを悟られないよう、無駄に得意げに言ってしまった。 すると。 「すげぇ!やっぱ夏乃は違うわ!!」 ケタケタと軽快に金森くんが笑い出し、その笑いがクラス全体に伝染していく。 恥ずかしいやら可笑しいやらで、私も笑ってしまう。 先生の方を見ると、先生も笑っていた。 でも。 「(いつもと…)」 いつもより、先生は静かに笑っていた。
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