問3

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そして私はまた、職員室の前に立っている。 扉の窓越しに、先生の背中が見える。 手に持つ過去問の冊子を握りしめる。 「し、失礼します!古賀先生に用があってきましたっ!」 何度振り絞っても足らない、職員室へ入るための勇気。 「はーい」 寒くなってきてセーターを着ている先生の背中動く。 「どうしたー?」 席を立って、先生は入口に立ち尽くす私のもとにやって来る。 「えっと、過去問でわかんないとこ、教えてもらっていいですか…?」 こうやって依頼するときも緊張する。 断られたらどうしよう…って。 「ん、わかった。ちょっと待ってね」 「あ、はい!」 そう言うと先生は再び自分の席へ戻っていく。 良かった…。 「じゃあ行こうか」 先生の言葉を合図に職員室の質問コーナー(?)へ向かう。 と。 「あちゃあ、満杯だ」
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