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よく見れば、何個かある椅子と机のセットは全て埋まっていた。
「3年だね…そっか…」
先生の言葉にハッとする。
そうか、受験生にとっては大事な時期なんだ…。
「場所変えよっか」
「あ、はい…」
職員室を後にして、フラフラと空き場所を探して二人でさまよう。
「あ、ここにしよっか」
先生が止まったのは。
「え、ここですか」
廊下の一角だった。
何故か机もあって(椅子はないけど)、勉強できないことはなさそう。
「で?どれがわかんないの?」
「え?えっとこれなんですけど…」
先生は普通に話を始めてしまった。
「これね。これはまずどれから数え始めるのか決めるわけね」
淡々と個人授業は進められていく。
ただ椅子がないから、しゃがんだり机におっかかってみたりと、私たちの体は忙しい。
「次にこれが入るところを決めるじゃん?そうするとまた何通りか決まるだろ?」
「はい」
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