問3

8/49
前へ
/172ページ
次へ
よく見れば、何個かある椅子と机のセットは全て埋まっていた。 「3年だね…そっか…」 先生の言葉にハッとする。 そうか、受験生にとっては大事な時期なんだ…。 「場所変えよっか」 「あ、はい…」 職員室を後にして、フラフラと空き場所を探して二人でさまよう。 「あ、ここにしよっか」 先生が止まったのは。 「え、ここですか」 廊下の一角だった。 何故か机もあって(椅子はないけど)、勉強できないことはなさそう。 「で?どれがわかんないの?」 「え?えっとこれなんですけど…」 先生は普通に話を始めてしまった。 「これね。これはまずどれから数え始めるのか決めるわけね」 淡々と個人授業は進められていく。 ただ椅子がないから、しゃがんだり机におっかかってみたりと、私たちの体は忙しい。 「次にこれが入るところを決めるじゃん?そうするとまた何通りか決まるだろ?」 「はい」
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

278人が本棚に入れています
本棚に追加