問3

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さっきの3年生に影響されたっていうわけじゃないと思うけど。 「私、理系に進めますか?」 「あぁ、進路?」 目前に迫った進路選択。 大学進学のため、私たちは理系か文系に分かれる。 私は理系に行こうとしていたけど、なんとなく心配になって先生に聞いてみた。 「向井さんって理系目指してるんだっけ?」 「あ、一応」 「そっか…」 考え込むような素振りを見せる先生。 心配になりつつも、先生を見つめる。 「うん、大丈夫なんじゃない?」 「ホントですか?」 「ホントだよ」 クスクスと、先生の笑い声が静かな空間に響き渡る。 「だって向井さん、テストで60点以下になったことないでしょ?」 「え?」 先生の言葉に耳を疑う。 もちろん、疑うにもっともな理由が私にはある。 「あるんですけど…何回も…」 「え?そうだっけ?」 「そうですよ!だって先生、私の点数見て笑ったじゃないですか!」 「えぇ!?そんなこと、あったっけ!?」 「ありましたよ!!」 小声で、ちょっとした口論が発生。
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