問3

12/49
前へ
/172ページ
次へ
というのも、ほんの少し前にあった数学のテストの返却で。 私の大っ嫌いな確率と図形のテストで、それはもう自信なくて、ドキドキしながら自分の順番を待っていた。 私の前の智子ちゃんが呼ばれて。 「向井さーん」 「っ」 名前を呼ばれて、はやる気持ちを抑えて教卓の前の先生のもとへと急ぐ。 その時だった。 手を出して返却を待ち受ける私と、その解答用紙を見て、先生はフッと吹き出した。 衝撃を受けている私に気付かないのか、先生は「はい」と言って私に解答用紙を差し出して、亜紀の名前を呼ぶ。 「(わ、笑われた…!?)」 点数は赤点ではないけど、いいとは言えない点数。 点数は納得する…しかなかったけど、先生の態度は…。 「…納得できなかったんですよ…!」 「えぇ!?俺そんなことしたっけ!?」 先生はあくまで笑っていないという体制を崩さない。 「完全に笑ってましたから…!」 私だって意見は変えられない。
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

278人が本棚に入れています
本棚に追加