問3

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少し引いた頬の熱がぶり返してくる。 自覚あんのかな、先生。 そういうこと言ったら嬉しくなっちゃうんだって。 自覚あって言ってるんだったら、かなりの腕を持つ確信犯だ。 「う、あ、そそそそうですね…っ!」 頑張ります。 俯きながらそう言って、問題に目を向ける。 理系は数学と理科科目の数が多くなる。 特に理科科目は1日に2教科になって、文系科目が減るのだ。 こうなれば頭をよぎるのがちょっとした期待。 「(…理系に進めば)」 もちろん今後のこともあるけど。 「(先生と会える機会も増えるのかな…?)」 なんて。 こんな下心満載でいいのかな…? 言いわけないよ、全く。 でも…。 期待しちゃうよ。 けれど。 現実そんな甘くないんだってこと。 期待すればするほど悲しい結果が待ってるんだってこと。 私はまだ気付いていなかった―――…。
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