問3

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「え、マジ!?」 バッと顔を上げて私の方を向く金森くん。 「うん、マジ」 「よっしゃ、やるわ!!」 何をやるのかよくわからなかったけど、多分数学の勉強を、だろう。 「いいこと教えてあげよっか」 二ヤリ、笑いながら金森くんが私に顔を近づけてくる。 「え?何?」 急な話の展開についていけなくなりつつも、私も金森くんの方に顔を寄せる。 と。 「はい、始めまーす」 チャイムと同時に先生が入って来る。 「今日さ、数学でサンドイッチじゃん?」 「うん」 “数学でサンドイッチ”というのは、1限と6限が数学、という意味。 先生の都合で時間変更とかがあると、こうなることがあるんだ。 「きりーつ」と学級委員の号令の声が聞こえて、それに合わせて私たちも立ち上がる。 「古賀先生さ、今日、寝癖ついてる」 「えっ?」 耳元で金森くんが囁く。 寝癖? そうだっけ? そう思いながら先生を見ると。
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