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「下に何隠してんの?」
「あ、えっと…」
これ以上ないってくらいの笑顔で、先生が私に詰め寄って来る。
「みーせて!」
「あああ!」
紙を隠すために置かれていた腕を掴まれ、グイッと上にあげられる。
「ん?絵?」
「……」
私の下敷きになっていた紙には、暇だった私が描いたイラストがあった。
「へぇ、こんなの描くんだ」
先生はその紙を持ち上げ、まじまじと見ている。
あぁ、そんなに見ないで…!
恥ずかしさや後悔で内心身悶えてる私。
「向井さんて、絵上手なんだねぇ」
「え?」
私に紙を手渡し、先生は近くにあった机(金森くんのもの)をくっつけて椅子に座る。
「さっすが文芸部」
覚えててくれたんだ…。
ニカッと笑う先生、喜びを噛みしめる私。
本来なら絵を勝手に見たことを怒っていただろう(私が悪いんだけど)。
でも先生ならいいや…って。
私は相当重症かもしれない…いや、重症だろう。
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