奇跡の木

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目の前には、赤や黄色といった色とりどりにライトアップされている"奇跡の木"が。 「これをさ、奈緒と一緒に見たくて」 私と、一緒に見たくて…? 『この木で結ばれた男女は永久の幸せを手に入れられる』 不意に、奇跡の木のジンクスを思い出す。 「奈緒、ちょっと今日はなんの日か覚えてる?」 「え?」 今日は、文化祭で、他に何かあったっけ? 薫は『やっぱり覚えてなかったか』と言って、鞄のなかをゴソゴソし始める。
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