奇跡の木

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「"愛の告白"」 薫はすごく真剣な眼差しで、薫の目は私を捕らえて離さない。 「奈緒、好きだよ」 薫はそう言って私を抱き締めてくれる。 「か、おる…」 視界が、涙でぼやける。 「たぶん俺ね、中学の時に奈緒のことを見つけてから好きだったんだと思う。怪我をして、バレーができなくなって笑顔を失いかけてた奈緒をどうしても助けたいと思ってた」 私は抱き締められていて薫の顔は見えないけど、コクコクと頷く。 「そしたら偶然に奈緒と同じ高校で、奇跡だと思った。 最初はまた奈緒に笑顔になって欲しくてマネージャーに誘ったんだけど…」 薫はそう言って、私の体にはを解放する。
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