ウイルステロの悲劇

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2013年8月、日本では『変革の悲劇』と呼ばれる、宗教団体『誕生と静寂』による大規模なウイルステロが行われた。 海水や空気は汚染され、日本は生身で地上に出るのは危険な状況に陥り、国民は国が急遽作り上げた各県の地下シェルターへの避難を余儀無くされる。 そんな悲劇の2013年から11年が経ち、日本の人口は約8000万人に減少。国民の3分の2が残る。 地上での生活ができない中、ここまで日本国民が生き残ったのは外国、特にアメリカの協力があったからである。 アメリカ大統領、ガリア・バジルールは日本への軍隊派遣を他国に呼びかける。 人工太陽により朝、昼、夜を分けられ、中国からのパイプラインによる物資搬送、自作農のできるように土地の開拓、少し昭和じみた町並みにはなるが八百屋などの並ぶ商店街の増設、人の住めるシェルターへと変貌し、最低限の生活が出来るようにしてくれたのだ。 そして2026年4月、パイプラインの確保に成功すると、今度は釣堀やゲームセンターなどの軽い娯楽施設の建設や子供達の通うことができる学校の建設に取り掛かる。 福岡県博多地下シェルターに住む12歳から18歳の男女はシェルター内に建設中の施設『ジニウス』での学校生活を送ることとなった。まだ建設途中であるため、校舎、体育館、寮しかないが、博多の地下に住む子供達は喜んで『ジニウス』への入寮、入学をしたのだ。
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