これがよくある落ちものよ!

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 勇者制度が始まって数年。数多くの勇者が誕生したが、誰も魔王を討つ事はできなかった。そもそも魔王なんて本当に居るのだろうか。今日もこの城下町は平和だ。どこかで、『勇者様―! キャー!』なんていう黄色い声援が飛ぶくらいだ。勇者なんて税金を使い込む偽善者だと思う。とても魔族が攻めてきているとは思えない。そんな事を考えたりしているからか、もう少しで留年するところだったのだが……これは本当に笑えないところだった。 「全部で945クルね」 「……ああ、丁度ある」 「はいどうも。いつもありがとうね」 「いえいえ……」
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