0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
勇者制度が始まって数年。数多くの勇者が誕生したが、誰も魔王を討つ事はできなかった。そもそも魔王なんて本当に居るのだろうか。今日もこの城下町は平和だ。どこかで、『勇者様―! キャー!』なんていう黄色い声援が飛ぶくらいだ。勇者なんて税金を使い込む偽善者だと思う。とても魔族が攻めてきているとは思えない。そんな事を考えたりしているからか、もう少しで留年するところだったのだが……これは本当に笑えないところだった。
「全部で945クルね」
「……ああ、丁度ある」
「はいどうも。いつもありがとうね」
「いえいえ……」
最初のコメントを投稿しよう!