深海

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電車の吊革より少し高い位置に広告がぶら下がっている それには楽しそうに笑う子供の姿と 夏らしい涼しげなバックが写っていた 遊び道具もいくつか写っていて確か左の端にあるのはウォータースライダーって言ったっけ そういえばあれに最後に乗ったのはかなり前に感じる 実際のところ、1年前にゆうきと怖がりながら下まですべるように降りたのだけれど そのあとアミたちとごはん食べに行ったんだっけ 懐かしい思い出をひきずってわたしはされるがままに体をシートに預けていた 不意に体が揺れる 窓の景色が先程よりゆっくりと流れる 嫌な音がして電車は停車のアナウンスの数秒後止まった わたしは持っていたかばんを片手に立ち上がった
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