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「まぁ、積極的な子なんだろう」
菜幸は納得のいかないような顔をしているが、俺にも分からないんだから仕方ない。
「まぁそれはいいとして、昨日も思ったんだけどあの子の髪……」
「……偶然だろ」
菜幸も当然気になったようだが、それこそ俺には分からない。
会って1日の人に「あなた実は繭から生まれませんでした?」なんて聞こうものなら、精神病院を紹介されるだろう。
「まぁ、そうね」
これ以上聞いても意味が無いと思ったからか引き下がる。
× × × × ×
「よし、用意も出来たし学校に行こうか」
荷物を持ち、今日は白石さんも一緒に玄関で靴を履いていると、二階からユーが降りてきた。
「パパもう行くの?」
「あぁ、今日もバーバとお留守番頼んだぞ」
「ユー分かった!」
母さんは遠い目をしていたが、それよりも白石さん。
白石さんの表情がほんの一瞬だけ……無表情になったのが気になった。
「かわいいお子さんですね」
すぐに元の微笑みに戻ると、そう言った。
「あ、あぁ、親戚の子供を少し預かってるんだ」
「親戚の子供にパパと呼ばれてるんですか?」
菜幸が頭を押さえている。分かってるよ!ちょっと誤魔化しかたが適当すぎたって。
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