3.見付かる少年

20/26
前へ
/94ページ
次へ
学校に着くとクラスで友助が楽しそうに本を読んでいた。俺は恨めしく近寄っていく。 「友助ぇ、少しぐらい助けてくれても良かったじゃないか」 「俺のポリシーは言っただろう? それに俺が入ったところで大した力にはなれないよ」 当然のようにそう言うが、まぁ確かにそうなっていただろう。 「何読んでんだ?」 さっきから夢中になって読んでる本が気になって聞いてみる。よく見たら何冊か、それにプリントも沢山ある。 「ん、そうだな……もうホームルームも始まるし、後で話すよ。昼休みに屋上に進藤さんと来てくれないか?」 そう言うということはわりと重要で長い話なんだろうか? どちらにせよ断る理由は無い。 「あぁ、分かった」 そう言ったところで担任が教室に入ってきた。 「さぁ席につけー、ホームルームを始めるぞー」 今の機嫌の悪い菜幸には少し話しにくいが、まぁなんとかなるだろう。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加